マヨネーズをベースにしたソースで、どこの家庭にもある材料でできます。
魚にとどまらず、鶏のもも肉、豚肉など、あまり強い個性を主張しない素材には、何にでも使えます。
元々はとても時間のかかる「インペリアル・グラタン」というメニューのために用意したソースの材料を「そのまま魚や肉のソースとして使ってみよう」「ランチの日替わりメニューのために、ソースだけ独立して使ってみたらどうだろう」と思ってやってみたのがはじまり。
作り置きもでき、便利です。 ところで、この「さて風ソース」ですが、実はかつてさてのメニューにあった「インペリアル・グラタン」という、恐ろしく時間のかかるメニューから派生したものです。
インペリアルと言うのは文字通り帝国と言う意味で、30数年前に「暮らしの手帖」という雑誌に帝国ホテルの総料理長であった故村上信夫氏がそのなかでインペリアルグラタン(帝国ホテルのグラタン)という名で紹介していたのです。
私の学生時代からの、友人達を招いた折の得意メニューでもありました。
特に面倒な材料もなく、手軽で飽きない、食欲をそそる風味に仕上がるグラタンです。
ただし、こってりした味わいなので、若い人向きの料理と言えます。 また、何かの資料で料理名は忘れましたが、北欧料理として、鶏肉を使ったものを見た記憶があります。
このグラタンは下準備さえしておけば、呆気なく作れるのですが、注文を受けてゼロから始めると(前もってのソース作りとかの手間はいらない分)時間がとてもかかってしまうのです。
開店当初から、このメニューを気に入っていたお客様もかなりおられて、「お時間がかかりますが…」と申し上げても、ニッコリ笑って「はい、お願いします。」と注文されたものです。注文を受けてから、どんなに頑張っても、30分はかかりました。
その間、ビールとかワインでも召し上がっていただければまだよいのですが、お水だけで待っている方の場合など、少しでも短時間で仕上げるよう、もう必死でやりました。勿論、同時に他の注文もこなさねばなりません。 その後、インペリアル・グラタンは予約メニューとなり、今ではメニューからも消えていますが、年に一度のおせちには、その中の一品として立派に活躍していますし、前述のように、ランチメニューとして、より簡便にできるよう、ソースだけ独立に作っておいて、火を通しておいた魚や肉にかけるという「さて風ソース」としてはしっかり現役で働いてくれています。
【材料:二人分】
魚............................................二切 (真鱈、スズキ、メローなど手頃な白身魚で、また鯖にもよく合います) 塩 コショウ 小麦粉 バター(ソテー用)
ソースのもと マヨネーズ..............................70g ケチャップ.................小さじ1杯 カレー粉........ 小さじ 山盛り1杯 ウスターソース..........小さじ1杯
【手順1】 耐熱の入れ物に、マヨネーズ、ケチャップ、カレー粉、ウスターソースを入れ、よく混ぜ合わせる。
【手順2】 手順1を100℃のオーブンに入れ、25分熱して、取り出して再びよく混ぜ合わせる。これでソースは出来上がり。
高温ではマヨネーズがすぐに分離してしまい、おいしいソースになりません。 ※15分ほどでも大丈夫ですが、25分ぐらいかけた方がより滑らかでおいしいソースに仕上がります。
【手順3】 手順2のソースを作っている間に、魚に塩、コショウして、軽く小麦粉をまぶし、バターを溶かしたフライパンでソテーする。
皮のほうから先に一分ぐらい中火で焼き色をつけてから、フタをして、3分ほどやや弱火で焼き、裏返して また3分ほど焼く。
魚の皮がパリッとした状態に焼き上がるのが理想です。
【手順4】 手順3で焼いた魚を皿に盛り、手順2のソースをかけて出来上がり。